貨物運送事業の整備管理者になるには

一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の許可を取得する為には、運行管理者とともに整備管理者を選任しなければいけません。
整備管理者は、運送事業で使用する車両の整備・点検から車庫の管理から整備記録簿の管理まで行う職責のある重要な役割があります。

しかし、整備管理者は誰でもなれるわけではありません。今回の記事では整備管理者の仕事となるための要件を解説していきたいと思います。

整備管理者の仕事

道路運送車両法には整備管理者について定められています。

(整備管理者)
第五十条 自動車の使用者は、自動車の点検及び整備並びに自動車車庫の管理に関する事項を処理させるため、自動車の点検及び整備に関し特に専門的知識を必要とすると認められる車両総重量八トン以上の自動車その他の国土交通省令で定める自動車であつて国土交通省令で定める台数以上のものの使用の本拠ごとに、自動車の点検及び整備に関する実務の経験その他について国土交通省令で定める一定の要件を備える者のうちから、整備管理者を選任しなければならない。
 前項の規定により整備管理者を選任しなければならない者(以下「大型自動車使用者等」という。)は、整備管理者に対し、その職務の執行に必要な権限を与えなければならない。

整備管理者は、上記を見ていただくとわかるように自動車の点検及び整備と自動車車庫の管理を行うことが定められています。

細かくあげると

① 日常点検整備(道路運送車両法第 47 条の2第1項及び第2項)に規定する日常点検
 の実施方法を定めること 
 ② 日常点検の結果に基づき、運行の可否を決定すること 
 ③ 定期点検整備(道路運送車両法第 48 条第1項)に規定する定期点検を実施すること 
 ④ 日常点検・定期点検のほか、随時必要な点検を実施すること 
 ⑤ 日常点検・定期点検・随時必要な点検の結果、必要な整備を実施すること 
 ⑥ 定期点検及び5.の整備の実施計画を定めること 
 ⑦ 点検整備記録簿(道路運送車両法第 49 条第1項)その他の点検及び整備に関する
 記録簿を管理すること 
 ⑧ 自動車車庫を管理すること 
 ⑨ 上記に掲げる事項(①~⑧)を処理するため、運転者、整備員その他の者を指導し、
 又は監督すること 


日頃の車両の点検を運転者が行いその内容から整備管理者が運行の可否を判断するわけですね。また、点検簿の管理も整備管理者の仕事となります。

整備管理者になるには

整備管理者になるには主に以下の二つの方法があります。

・整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の
 管理に関して2年以上の実務の経験を有し、地方運輸局長が行う研修(整備管理者
 選任前研修)を修了した者
・自動車整備士技能検定に合格した者(1級、2級又は3級)

この2点が現在整備管理者になるための主な要件となります。
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。

2年の実務経験プラス整備管理者選任前研修

道路運送車両法施行規則より抜粋
 整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の管理に関して二年以上実務の経験を有し、地方運輸局長が行う研修を修了した者であること。
実務経験証明書

つまり、整備管理を行おうとする自動車と同種自動車の「点検・整備」または「整備管理」の実務経験を、2年以上有することが条件です。二輪車もしくは二輪車以外の区分わけされていますが例えば二輪車の整備経験ではトラック運送事業の整備管理者としての実務経験としてみなされないということです。
具体的になると

・整備工場、特定給油所等における整備要員として点検・整備業務を行った経験(工
員として実際に手を下して作業を行った経験の他に技術上の指導監督的な業務の経
験を含む。)

整備管理者として経験

運送事業者の整備担当(補助者等)として点検・整備の経験

上記の経験が必要となり、整備管理者として選任する際には実務経験証明書を作成し選任届に添付します。
実務経験証明書では経験を積んだ会社から実務証明として印鑑もいただくことになります。

そして、2年の整備実務経験に加えて整備管理者選任前研修を受けて修了する必要があります。

整備管理者選任前研修

先に「整備管理者選任後研修」という研修もありますが、それではなく「整備管理者選任前研修」を修了していなくてはなりません。間違えないようにしましょう。

岩手県の研修開催についてはこちら

この「整備管理者選任前研修」は各運輸支局が開催していて受付もしております。岩手ではこの研修は例年年4回程度行っておりますのでスケジュールを確認して受講しましょう。

「整備管理者選任前研修」を受けていただいて修了証をもらいます。この修了証を実務経験証明書とともに選任届を出すときに提出することになります。

整備管理者になるための要件の一つ【2年の実務経験プラス整備管理者選任前研修】についてはここに述べた条件をクリアにしなければいけません。事業者は事前にしっかり確認をして選任する人を確保しなけばいけませんね。

自動車整備士技能検定に合格したもの

整備管理者になるための要件のもう一つとして自動車技能検定に合格したものを選任する方法があります。1~3級の自動車整備士で【ガソリン、ジーゼル、シャシ、エンジン】は問いません。

気をつけなけばいけないのはここに書いてある通り技能検定に合格したものです。選任届に添付する書類としては学科検定ではなく技能検定の合格証が必要になります。

現在、自動車整備士の人口は減少傾向です。自動車整備工場でも人材確保が大変な時代ですから運送業を始めるのに整備士資格のある人材を確保できればいいのですが、整備士資格者の減少から新たに整備管理者を確保するには実務経験の要件で整備管理者を確保されるケースの方が多いのではないのでしょうか。

整備管理者の必要な人数

運行管理者のように所有台数によって必要な人数が増えるわけではありません。
1営業所に1人いればよいのです。

道路運送車両法施行規則では以下のように定められています。

(整備管理者の選任)
第三十一条の三 法第五十条第一項の国土交通省令で定める自動車は、次の各号に掲げるものとし、同項の国土交通省令で定める台数は、当該各号に定める台数とする。 乗車定員十一人以上の自動車(次号に掲げる自動車を除く。) 一両
 乗車定員十一人以上二十九人以下の自家用自動車(道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第八十条第一項の許可に係るものを除く。) 二両
 乗車定員十人以下で車両総重量八トン以上の自家用自動車及び乗車定員十人以下の自動車運送事業の用に供する自動車 五両
 貨物軽自動車運送事業の用に供する自動車及び乗車定員十人以下で車両総重量八トン未満の自家用自動車であつて、第二号の許可に係るもの 十両

上記をみれば気が付くと思いますが、軽貨物の運送事業でも車両が10台以上になる場合は整備管理者が必要になるので注意をしてください。

まとめ

ここまで運送事業の整備管理者になるための要件を解説してきました。運行管理者の並んで運送事業を行っていく上で必要不可欠な存在であり時に確保が難しい人材です。

運送事業を始めたい方や既存事業で新たに整備管理者を選任したいけどよくわからないという方はご確認ください。

当事務所では整備管理者の選任届の作成・提出代行を行っておりますのでぜひご相談ください。

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